馬喰町の昭和ムードビルディング
ある日、馬喰町にある写真ギャラリー「Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery (KKAG)」に立木義浩さんの写真展を観に行った。写真展はカメラマン立木さんの若き日(?)の習作と感じ、これはこれで良かったのだが、今回はギャラリーが入っているビルディングの話である。
訪れたのは初めてであるが、年代を感じさせる古さが心地よい。ギャラリーの他、レストランやカルチャースクールが入っているが、どれも同じように落ち着いた齢の取り方をしているようだ。ここだけ時計の針の進み方がゆっくりとしているのではと感じてしまう。
共用エリアの佇まい。木製の手摺、重そうな鉄扉、暗めの廊下。リノリウムの床はピカピカに磨き上げられている。
(レンズ:1:1.4/40mm, ISO 250, F3, 1/30)
階段エリアの階数表示。むき出し蛍光灯とレトロな階数表示が落ち着く。
(レンズ:1:1.4/40mm, ISO 200, F2, 1/30)
3階の表示は取れてしまったのだろう。手書きの表示がユーモラス。
(レンズ:1:1.4/40mm, ISO 200, F2, 1/30)
入っているテナントもいい雰囲気。料理に例えればいい器と料理の関係かもしれない。
(レンズ:1:1.4/40mm, ISO 400, F2, 1/30)
エントランスホールのガラスブロック、天井の照明、そして非常口サインの字体。すべて昭和の雰囲気。タイムスリップさせてくれる。
(レンズ:1:1.4/40mm, ISO 200, F4, 1/50)
東京が2020をキーワードに、当たり前のように古いものを新しく置き換えされつつある今、貴重な存在だ。時々訪れてこの雰囲気に漬かっていきたい。